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2008年04月27日
月周回衛星「かぐや」の新発見
「かぐや」と「おきな」、表と裏で異なる月の重力場を明らかに
【2008年4月17日 JAXA】
月周回衛星「かぐや(SELENE)」と中継器を搭載したリレー衛星「おきな」を使った観測から、月の表側と裏側で重力場に違いがあることが明らかとなった。
月周回衛星(主衛星)「かぐや(SELENE)」とリレー衛星「おきな」は昨年11月、それまでほとんど分かっていなかった月の裏側の重力場について、世界で初めて直接観測することに成功した。
その後開始された本格的な観測で得られたデータによって、月の表側と裏側で、重力異常に差があることが明らかとなった。
表側と裏側ではっきりとした重力異常の差が表れたことは大きな発見で、地下の構造や形成の歴史が異なっていたことを表している。
今後観測データが増え、多くの地域に関する重力異常図が作成されれば、より正確に表側と裏側の違いがわかるようになる。
「かぐや」がもたらす最新の観測データは、月の起源と進化の研究に重要な役割を果たすと考えられている。また、高精度の月重力場情報は、将来の月探査ミッションにも役立つと期待されている。
【2008年4月17日 JAXA】
月周回衛星「かぐや(SELENE)」と中継器を搭載したリレー衛星「おきな」を使った観測から、月の表側と裏側で重力場に違いがあることが明らかとなった。
月周回衛星(主衛星)「かぐや(SELENE)」とリレー衛星「おきな」は昨年11月、それまでほとんど分かっていなかった月の裏側の重力場について、世界で初めて直接観測することに成功した。
その後開始された本格的な観測で得られたデータによって、月の表側と裏側で、重力異常に差があることが明らかとなった。
表側と裏側ではっきりとした重力異常の差が表れたことは大きな発見で、地下の構造や形成の歴史が異なっていたことを表している。
今後観測データが増え、多くの地域に関する重力異常図が作成されれば、より正確に表側と裏側の違いがわかるようになる。
「かぐや」がもたらす最新の観測データは、月の起源と進化の研究に重要な役割を果たすと考えられている。また、高精度の月重力場情報は、将来の月探査ミッションにも役立つと期待されている。
2008年04月27日
月周回衛星「かぐや」の装備 -つづきー
■月の重力分布
リレー衛星中継器と衛星電波源による観測
リレー衛星に搭載された中継器は、主観測機が月の裏面にあるときに地球へ電波を中継するためのものである。この中継局として使用される子衛星の電波源と主衛星自体の電波源を元に、主衛星と子衛星が地球に向いた軌道を周回中に同じ地点を通った場合、個々の衛星の軌道のブレを測定する事が可能である。
この楕円軌道を回る主衛星と子衛星の電波源の軌道遷移を測定し、月の重力分布による重力変動を捕らえる事が可能である。この軌道変動遷移の差を利用し、月の地下構造やクレーター内部に残る隕石起源の鉱物資源などを探ることができると考えられている。
■ハイビジョンカメラ
日本放送協会 (NHK) が開発した宇宙探査機用ハイビジョンカメラで、打ち上げ時の衝撃に耐えるために、大型ハンマーで叩くなどの実験を経て開発された。心臓部は、高感度CCDカメラ。理論衝撃耐久能力は、120G。実効衝撃耐久能力は15G/h。
広角カメラと望遠カメラを隣り合わせに、それぞれ反対方向を向いて機体に固定されている。動画の送受信と圧縮されたデータの展開には実時間の約30倍かかるため、生中継はできない。
主な撮影対象は
●2007年9月29日:約10万kmの地点から見た地球
● 2007年10月31日:嵐の大洋 - ラヴォアジエ・クレーター - レプソルト・クレーター、月の北極
● 2007年11月7日:地球の出、地球の入り(プラスケット・クレーター)
● 月の南極・夜明け
● オリエンタル盆地
● シュレーディンガー・クレーター
画像の公開
動画と静止画がJAXAのWebサイトで公開されているほか、2007年11月14日にはNHKで『探査機“かぐや”月の謎に迫る』として特集番組が放送された。
「地球の出」に関しては、アポロ計画時代の映像と「かぐや」からの映像を比較することによって、技術の進歩を実感できる映像も公開する予定である。
付記)本ハイビジョンカメラの開発にあたっては、光学レンズがフジフィルム株式会社・搭載CCD素子がソニー株式会社・機器本体がNHK放送技術研究所で行ったものである。
リレー衛星中継器と衛星電波源による観測
リレー衛星に搭載された中継器は、主観測機が月の裏面にあるときに地球へ電波を中継するためのものである。この中継局として使用される子衛星の電波源と主衛星自体の電波源を元に、主衛星と子衛星が地球に向いた軌道を周回中に同じ地点を通った場合、個々の衛星の軌道のブレを測定する事が可能である。
この楕円軌道を回る主衛星と子衛星の電波源の軌道遷移を測定し、月の重力分布による重力変動を捕らえる事が可能である。この軌道変動遷移の差を利用し、月の地下構造やクレーター内部に残る隕石起源の鉱物資源などを探ることができると考えられている。
■ハイビジョンカメラ
日本放送協会 (NHK) が開発した宇宙探査機用ハイビジョンカメラで、打ち上げ時の衝撃に耐えるために、大型ハンマーで叩くなどの実験を経て開発された。心臓部は、高感度CCDカメラ。理論衝撃耐久能力は、120G。実効衝撃耐久能力は15G/h。
広角カメラと望遠カメラを隣り合わせに、それぞれ反対方向を向いて機体に固定されている。動画の送受信と圧縮されたデータの展開には実時間の約30倍かかるため、生中継はできない。
主な撮影対象は
●2007年9月29日:約10万kmの地点から見た地球
● 2007年10月31日:嵐の大洋 - ラヴォアジエ・クレーター - レプソルト・クレーター、月の北極
● 2007年11月7日:地球の出、地球の入り(プラスケット・クレーター)
● 月の南極・夜明け
● オリエンタル盆地
● シュレーディンガー・クレーター
画像の公開
動画と静止画がJAXAのWebサイトで公開されているほか、2007年11月14日にはNHKで『探査機“かぐや”月の謎に迫る』として特集番組が放送された。
「地球の出」に関しては、アポロ計画時代の映像と「かぐや」からの映像を比較することによって、技術の進歩を実感できる映像も公開する予定である。
付記)本ハイビジョンカメラの開発にあたっては、光学レンズがフジフィルム株式会社・搭載CCD素子がソニー株式会社・機器本体がNHK放送技術研究所で行ったものである。
2008年04月27日
月周回衛星「かぐや」の装備 -つづきー
■元素分析
蛍光エックス線分光計
太陽から放射されるX線によって、月面の元素が放つ蛍光X線を捉え、月における元素の分布を調べる装置。
ガンマ線分光計
銀河宇宙線が降り注ぐことにより、月面から放射されるガンマ線や、天然放射性元素から放出されるガンマ線を捉えることで、月面における鉄、チタン、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、トリウム、ウラン、カルシウム、珪素、酸素、及び極域の水素といった元素の分布を調べる装置。
■地質学鉱物学分析
マルチバンドイメージャー
広い波長で光を観測することで、地質鉱物の放つ光を観測し、その分布や組成を調査する装置。特に、光を面で捉えられることが、元素分析装置とは違っている点である。
スペクトロプロファイラ
鉱物が放つ光を分光解析し、その分布や組成を調査する装置。鉱物の放つ光は、原子間の結合力と電磁波との共振によるため、単なる元素の相違のみならず、結晶構造の相違もある程度まで判別可能である。
■地形表層構造
地形カメラ
立体視の原理を活用して、月表面の標高や地形データを調査する装置。
月レーダーサウンダ
レーダーの原理を用いて、衛星と月との間の距離を測定する装置。
レーザ高度計
衛星と月との間の距離を精密に測定するための基準となる装置。
■月環境
月磁場観測装置
主として月の異常磁場を詳細に測定することを目的とした観測装置。
粒子線計測器
ヘリウムイオンや電子などを測定することによって、太陽活動と月環境との関連性について調査する計測器。
プラズマ観測器
主に太陽風中の水素イオンと電子、月面から放出される比較的重いイオン、異常磁場によって月から反射される電子などを観測することで、月周辺のプラズマ現象を解明する装置。
電波科学
精密な電波観測によって、月周辺の電波環境を測定する観測装置。
プラズマイメージャ
プラズマ現象を面で捉えることが出来る観測装置。点で捉えるのはプラズマ観測器。
蛍光エックス線分光計
太陽から放射されるX線によって、月面の元素が放つ蛍光X線を捉え、月における元素の分布を調べる装置。
ガンマ線分光計
銀河宇宙線が降り注ぐことにより、月面から放射されるガンマ線や、天然放射性元素から放出されるガンマ線を捉えることで、月面における鉄、チタン、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、トリウム、ウラン、カルシウム、珪素、酸素、及び極域の水素といった元素の分布を調べる装置。
■地質学鉱物学分析
マルチバンドイメージャー
広い波長で光を観測することで、地質鉱物の放つ光を観測し、その分布や組成を調査する装置。特に、光を面で捉えられることが、元素分析装置とは違っている点である。
スペクトロプロファイラ
鉱物が放つ光を分光解析し、その分布や組成を調査する装置。鉱物の放つ光は、原子間の結合力と電磁波との共振によるため、単なる元素の相違のみならず、結晶構造の相違もある程度まで判別可能である。
■地形表層構造
地形カメラ
立体視の原理を活用して、月表面の標高や地形データを調査する装置。
月レーダーサウンダ
レーダーの原理を用いて、衛星と月との間の距離を測定する装置。
レーザ高度計
衛星と月との間の距離を精密に測定するための基準となる装置。
■月環境
月磁場観測装置
主として月の異常磁場を詳細に測定することを目的とした観測装置。
粒子線計測器
ヘリウムイオンや電子などを測定することによって、太陽活動と月環境との関連性について調査する計測器。
プラズマ観測器
主に太陽風中の水素イオンと電子、月面から放出される比較的重いイオン、異常磁場によって月から反射される電子などを観測することで、月周辺のプラズマ現象を解明する装置。
電波科学
精密な電波観測によって、月周辺の電波環境を測定する観測装置。
プラズマイメージャ
プラズマ現象を面で捉えることが出来る観測装置。点で捉えるのはプラズマ観測器。
2008年04月27日
月周回衛星「かぐや」の装備
■主衛星による主な観測項目
1)月表面の元素/鉱物組成
2)地形
3)表面付近の地下構造
4)磁気異常 5)重力場の観測
■VRAD衛星による主な観測項目
◎VLBI(超長基線電波干渉法)による、主衛星/リレー衛星との電波差異による月の周回運動の詳細観測。
■機器概要
リレー衛星をRstar、VRAD衛星をVstarと呼んでいる。両者は軽量化のために姿勢制御装置やスラスターモータを搭載していないため、主衛星からの分離時の姿勢とスピンが、重要な開発研究の要点として進められた。
■主衛星
◎縦・横: 2.1 m
◎高さ: 4.2 m(上部モジュール: 2.8 m、下部モジュール: 1.2 m)
◎重さ: 1.6トン
◎ エンジン: 500Nメインエンジン1台、20Nスラスタ4本×3系統、1Nスラスタ4本×2系統
上部モジュールにリレー/VRAD衛星が取り付けられ、周回軌道投入時に切り離される。
月表面の画像撮影のために、高信頼性ハイビジョン (Hi-Vison) カメラを搭載。その他、月の物理学・測地学探査に重要な観測機器を搭載。観測機器の安定のため、スラスターモータ及び3軸加速度計による3軸安定姿勢制御システムによる制御を実施している。
■リレー衛星(おきな)
八角柱の形でダイポールアンテナを持つ。主な目的は、主衛星の電波を月の裏側から中継、及び重力測定。姿勢を安定させるため、主衛星からの切り離し時にばね仕掛けで回転が与えられる(VRAD衛星も同様)。
■VRAD衛星(おうな)
VRADとは differential Vlbi RADio sources の略。八角柱の形でダイポールアンテナを備える。主な目的は、主衛星、リレー衛星、VRAD間でのVLBI測定のための、電波送信源としての送信機。
1)月表面の元素/鉱物組成
2)地形
3)表面付近の地下構造
4)磁気異常 5)重力場の観測
■VRAD衛星による主な観測項目
◎VLBI(超長基線電波干渉法)による、主衛星/リレー衛星との電波差異による月の周回運動の詳細観測。
■機器概要
リレー衛星をRstar、VRAD衛星をVstarと呼んでいる。両者は軽量化のために姿勢制御装置やスラスターモータを搭載していないため、主衛星からの分離時の姿勢とスピンが、重要な開発研究の要点として進められた。
■主衛星
◎縦・横: 2.1 m
◎高さ: 4.2 m(上部モジュール: 2.8 m、下部モジュール: 1.2 m)
◎重さ: 1.6トン
◎ エンジン: 500Nメインエンジン1台、20Nスラスタ4本×3系統、1Nスラスタ4本×2系統
上部モジュールにリレー/VRAD衛星が取り付けられ、周回軌道投入時に切り離される。
月表面の画像撮影のために、高信頼性ハイビジョン (Hi-Vison) カメラを搭載。その他、月の物理学・測地学探査に重要な観測機器を搭載。観測機器の安定のため、スラスターモータ及び3軸加速度計による3軸安定姿勢制御システムによる制御を実施している。
■リレー衛星(おきな)
八角柱の形でダイポールアンテナを持つ。主な目的は、主衛星の電波を月の裏側から中継、及び重力測定。姿勢を安定させるため、主衛星からの切り離し時にばね仕掛けで回転が与えられる(VRAD衛星も同様)。
■VRAD衛星(おうな)
VRADとは differential Vlbi RADio sources の略。八角柱の形でダイポールアンテナを備える。主な目的は、主衛星、リレー衛星、VRAD間でのVLBI測定のための、電波送信源としての送信機。
2008年04月27日
月周回衛星「かぐや」の概要
かぐや(SELENE, Selenological and Engineering Explorer、セレーネ)は、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) の月周回衛星で、NHKのハイビジョンカメラを搭載している。この衛星を利用した月探査計画はSELENE Project(セレーネ計画)と呼ばれ、アメリカ航空宇宙局 (NASA) のアポロ計画以降、最大の月探査計画とされる。
かぐやの愛称は、JAXAの行った一般公募によって決定された。打ち上げ後は順調に飛行を続け、予定通りに月周回軌道に入り、2機の子衛星を分離後に月面から高度100kmの月周回観測軌道に投入された。主衛星と2機の子衛星で構成され、搭載する14種類の観測機器を用いて、月を周回しながら約1年間様々な観測を行う計画である。
かぐやの周回に伴って月に隠れていた地球が見えてくる『地球の出(アース・ライズ)』なども撮影されている。
後に子衛星2機にも愛称がつけられ、リレー衛星は「おきな」(OKINA)、VRAD衛星は「おうな」(OUNA) と命名された。
SELENEはギリシア神話の月の女神セレネ (Σελ?νη, Selene) にちなんだ名称である。それぞれ、竹取物語の中で月へと帰るかぐや姫と、育ての親の翁(おきな)、嫗(おうな)にちなむ。
当初は2007年8月16日に打上げが予定されていたが、コンデンサの取り付けミスや天候悪化などのため9月14日に延期された。
今回の打ち上げの目的は、月の起源と進化を解明をしたり、将来月がどのように利用できるかの調査のため、さまざまな観測をすることを目的としている。
また、周回衛星に搭載された観測機器で、プラズマ、電磁場、高エネルギー粒子などの月周辺空間の環境・計測も予定している。
将来的には、かぐや後継機による月面着陸の構想もあるといわれている。
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かぐやの愛称は、JAXAの行った一般公募によって決定された。打ち上げ後は順調に飛行を続け、予定通りに月周回軌道に入り、2機の子衛星を分離後に月面から高度100kmの月周回観測軌道に投入された。主衛星と2機の子衛星で構成され、搭載する14種類の観測機器を用いて、月を周回しながら約1年間様々な観測を行う計画である。
かぐやの周回に伴って月に隠れていた地球が見えてくる『地球の出(アース・ライズ)』なども撮影されている。
後に子衛星2機にも愛称がつけられ、リレー衛星は「おきな」(OKINA)、VRAD衛星は「おうな」(OUNA) と命名された。
SELENEはギリシア神話の月の女神セレネ (Σελ?νη, Selene) にちなんだ名称である。それぞれ、竹取物語の中で月へと帰るかぐや姫と、育ての親の翁(おきな)、嫗(おうな)にちなむ。
当初は2007年8月16日に打上げが予定されていたが、コンデンサの取り付けミスや天候悪化などのため9月14日に延期された。
今回の打ち上げの目的は、月の起源と進化を解明をしたり、将来月がどのように利用できるかの調査のため、さまざまな観測をすることを目的としている。
また、周回衛星に搭載された観測機器で、プラズマ、電磁場、高エネルギー粒子などの月周辺空間の環境・計測も予定している。
将来的には、かぐや後継機による月面着陸の構想もあるといわれている。
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